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橙かなこ
こんにちは。
だいだいかなこと申します🍊

日常のをかしきことを書いています。
生き方。旅。創作。に夢中です🫧

まじか。と思った話

その日、かなこは
久々に実家に帰ろうとしていた。



バスを降りたら西の空がとても綺麗だったので
遮るものが何もない場所から夕日が見たくなり
実家のマンションの最上階へとエレベーターで昇った。




心ゆくまで夕空を堪能して、清々しさに包まれ満足したので

〝さて、そろそろ帰ろう〟

再びエレベーターに乗り階下へ降りていると
8階でエレベーターが止まった。




〝お?だれか乗ってくるみたいだ〟


エレベーターが止まった8階の住人は
昔スナックのママをやっていた色香溢れる年齢不詳のおばちゃん。
御歳75?いや、もしかしたら80歳を過ぎているかもしれない。


ご主人はコワモテと優しさのギャップが町内1のおじちゃんでかなこも大好きだったが
数年前に他界して、おばちゃんは今は愛犬と暮らしている。




そのおばちゃんの顔がエレベーターホールに見えた。
と同時に
おばちゃんのすぐ後ろにもう1つ見覚えのある顔が見えた。

同じマンションに住む、かなこの同級生の父親だ。




2人は同じ家から出てきた。


「こりゃぁ…きまずい」
40過ぎた女(かなこ)の直感がそう思った。




70歳も過ぎた2人なら近所の茶飲み友達なんてのもありそうだが
2人から漂うソレは茶飲み友達などという牧歌的なソレではなかった。




ちなみにかなこと同級生のパパは会えば挨拶もするし、しばし立ち話もする。
彼は確かに確実にかなこの事を知っている。




それなのに、そのパパは今、
同じ空間に居合わせているのにかなこと目を合わせようとせず、
おそらく、他人のふりか、気づいてないふりか、なんかわからんが、パパなりに存在感を消そうとしている…



《…てことは、まじのやつか》



パパに乗るか、反るか、かなこが考えていると
「こんにちは〜」と軽快なのだけど、ほのかな威力を感じる声がエレベーター内に響いた。
8階のおばちゃんの声だ。



咄嗟にかなこも挨拶を返したものの
こんなにも含みのある「こんにちは」は生まれて初めてだな。と思った。


8階のおばちゃんの静かなる覇気にぶっ飛ばされそうになりながら実家に到着したところで、
今見た光景を母に話した。




すると母はケロッと
「あーあのお父さんは昔っからそうだよ。
まぁ、あんたに言うことでもないから言ってなかったけど。」



 Σ(゚д゚lll)  カオス…





かなこは思い出した。


そういえば子供の頃の夏休み。
「みのさんの思いっきり生電話」で
嘘みたいな内容のお悩み相談をしている主婦を見たことがあった。と。



あの時は「そんなバカな。テレビ局のやらせでしょ」と思っていたけど
年を経て近頃なんだか思うことが多い。

事実は小説よりも奇なり。だね。って。

ねぇ。みのさん。




となると、母も、遠い昔にあのおじちゃんに誘われたことがあったのだろうか…

…それは知らぬが仏だな。と判断したかなこだった。



夕空を見て清々しくなった時間が
はるか昔のことのように感じたかなこだった。

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