私だろうか…私がおかしいのだろうか。
画面の中の人との距離感を見誤っているのは私の方なのだろうか…
そんな疑問を抱えずにはいられないほどに、
母がシングルファーザーYouTuberを、家族のような距離感で見守っている。
YouTuberの方には、居住地はできるだけ明かさないでほしいと切に願う。
もうすぐ煮物か干物か巻物か、何かしら物を送ってしまいそうな勢いなのだから、この人。
母は言う。
「この子(YouTuber)が娘の髪の毛も全部やるんよ、見て〜すっかり上手になって〜」
「この子はなんでも完璧にやろうとするもんで、いっぱいいっぱいになっていかんのー」
あまりの感情移入っぷりに
彼(YouTuber)は私の生き別れの弟かなんかか?と母に聞いたところで、ふと思い出した。
数年前、
あれは私が、まだ毎朝きちんと髪をセットしていた頃のこと。
髪を巻くために熱々に熱せられたヘアアイロンを片手に見ていた朝のニュースの内容は
人気アイドルグループから1人脱退するというものだった。
ファンの子が声を詰まらせながら街頭インタビューに答えていた。
「どうして?相談してくれたらよかったのに…」とまっすぐな瞳でカメラを見据えていた。
〝そうだん…〟
驚きのあまり、時が止まったようだった。
そう、大人気アイドルでさえも今や「ブラウン管の中の人」ではないのだ。
(ブラウン管…)
このことは己の不知を自覚した尊い瞬間だったと認めざるを得ない。
虚になった私の手元は狂い
熱々に熱せられたヘアアイロンで己が頬の皮膚を焼いたあの日のことを
私はふと思い出したのである。
だからこの場合、母サイドが新時代のスタンダードの可能性が著しく高まる。
70代に新時代のスタンダードを突きつけられるのは少々受け入れ難いが
実年齢とこの問題は比例するとも限らない。
いや、そもそも問題視して葛藤しているのは、もはや私だけなのかもしれない。
ならば、ささやかな抵抗として
私が石田ゆり子(敬称略)のインスタにコメントをする友人との距離感が未だ掴みきれていないことだけはここに記しておきたいと思う。
※地デジ移行期に「私はブラウン管を意地でも使う!」とテレビ用アンテナを探していたあの子はどうしてるだろうか。
今の私なら当時の彼女にもう少し寄り添えたかもしれない。