10/18 半袖の残党…夏果てに
ほんの数秒間だけセミが鳴いた。
「あぁ。君がいたか」と私は嬉しいような安堵したような気持ちになった。
あまりに力無いその鳴き声はどこか寂しそうに聴こえて、私は思わず小さく呟いたのだった。
「大丈夫、私がいるよ」と。
誰よりも早く半袖になり、誰よりも遅くまで半袖でいると評判の私は、ここのところの道ゆく人たちの長袖率に驚いている。
年々増える皮膚の下の厚みは暑がりな性質に関係していることは否定できない。
それでも、
長袖は暑くないか?と思う日もあるのだが、みんなどういうわけか涼しい顔をして長袖で歩いている。
ムートンブーツを履いている女性も見かけた。
あれは蒸れないのだろうか…
生活圏内で見つかる半袖仲間は
だいたい小学生か運動部の10代で、
帰宅途中の女子高生に至っては、なんか、もう、毛糸のカーディガンとか着ていて仰天した。
思わず彼女らの前髪が汗でデコに張り付いていないかどうか凝視してしまい、うっかり不審者になりかけた。
ぃや、なっていた。
そんなわけで冒頭の蝉が出す淡い夏感に首肯せずにはいられなかった半袖の残党。
あーだこーだ言いつつも
季節のグラデーションを感じる今の時期が特に好きだったりもする。
金木犀がいい香り。